北見への移住の目的である「友吉っつぁん(義父)」が、今年に入って、少々元気がない状態が続いています。様子を共有している義妹二人の家族が、応援に来てくれています。ありがたや、ありがたや。妻と二人のエネルギーだけでは追いつきませぬ!
真狩チーム来訪
毎日のように書いている伝言板ですが、友吉っつぁんのエネルギー増強につながっているとよいのですが。
気が付いた介護士さんが、起き上がって読むことのできない友吉っつぁんのために、声に出して読み上げてくださっていると聞きました。
とてもとてもありがたいことです。
これからの予定や、その時々の季節のことなどを書いているのですが、このところは、義妹たちの来訪のニュースでもちきりでした。

《真狩チーム》
「真狩チーム」とは、虻田郡真狩村に住む三女の家族のことです。
年に2回ぐらい、忙しい農作業の合間を縫って、片道6時間をかけて来てくれます。
三女夫婦は、最近、跡継ぎの息子さん(友吉っつぁんの孫)に農家としての経営を引き継いだんですって。
社長となったM君から給料をもらって、二人とも一社員として、M社長の指示のもとで作業をしているらしいんですが、とても素敵なことですよね。
懸案だった人参の収穫の作業を終えると一息つけるとのことで、やって来てくれました。
伝言板にあるように、4月14日のことでした。
一泊二日の強行軍で、着いた日と、出発の日の二回友吉っつぁんに面会してくれました。
真狩チームのパワーは絶大です。
この頃元気がなく会話も少なかった友吉っつぁんが、真狩チームの来訪をことのほか喜び、いつになく饒舌に話してくれ、盛り上がりました。
忙しい農作業の合間に来てくれた、Jちゃん、Aさん、ありがとうございました。
《M社長、見参!》
両親(義妹夫婦)から、跡を継いだM社長(彼のことを我々はこう呼んでいます。Mはもちろんファーストネームを実名で)が、義妹夫婦と入れ替わりに、友吉っつぁんに会いに来てくれました。
「じいちゃん、思ったより元気だね(笑)」
「じいちゃん、また来るからそれまで元気でね(笑)」
等々、思い切り元気に友吉っつぁんに会ってくれました。
孫パワー全開。とても盛り上がった時間でした。
農作業のこともあるので、「日帰りで」と言っていたのですが、さすがに往復12時間の日帰りはきついですよね。
途中で一泊して帰ったようです。
日帰りまで覚悟しての来訪。
本当にありがたいことです。
帰り際のM社長を見送る友吉っつぁんの目には、涙が浮かんでいました。
娘のKの決断
髪を切りに行くか、病院に行く以外には外出がない、引きこもり状態で決して友吉っつぁんの施設に行こうとしなかった娘のKが、突然言い出しました。
「明日、おじいちゃんのところに行くから」と。
これは、我が家にとってはとんでもなく画期的なことで、妻に赤飯を炊くように頼むか、シャンパンで乾杯しようと思ったくらいです。
実は、妻と娘の三人でLINEでコミュニケーションしてまして、二人の妹家族の施設への来訪情報などをその三人のLINEでやり取りしていたんですね。
それを見ていて、娘のKも触発されたか、友吉っつぁんのことが心配になったのではないかと思います。

普段外出のない娘のKは、緊張の面持ちでRAIZE君に乗り、不安な面持ちで施設「くつろぎ」の玄関を入り、友吉っつぁんの部屋に入りました。
妻の手を借りながらも、頑張って友吉っつぁんの手を握り、束の間の交流の時間を過ごしました。
別れ際には「おじいちゃん、頑張ってね」「また来るかも」と、精一杯のメッセージを発して、部屋を後にしました。
とても嬉しい豊かな時間でした。
東藻琴チーム来訪

伝言板の「今日は○○がやってきました」は、前述の娘のKの施設訪問のことです。
「東藻琴チーム」とは、網走郡大空町東藻琴に住む、次女家族のことです。
大空町というのは、オホーツクの空港「女満別空港」のある町です。
次女夫婦は、酪農業を営んでいましたが、最近になって廃業し悠々自適の暮らしに入っています。
何とも羨ましい限りですが、もう少し続けたい気持ちもあったようですが、昨今の飼料代高騰や、牛乳の低値安定傾向などもあり、思い切っての決断だったようです。
娘のMさんと共に三人で来てくれました。
孫も来てくれると、友吉っつぁんの喜びもひとしおです。
Mさんは、迫力のピンクで有名な、「ひがしもこと芝桜公園」の芝桜のメンテナンスの仕事に毎日通っており、そのことを友吉っつぁんに報告していました。
孫が元気に活躍している様子は、友吉っつぁんにとってこの上ない喜びだと思います
そうそう、孫と言えば、もうすぐ友吉っつぁんに玄孫(やしゃご)が生まれるんですよ。
その子の名前のことを報告したのが、伝言板の5行目の「○○ちゃんの子供の名前は○○ちゃんでしたよ」の一文です。
伝言板の、最後の話題「○○ちゃんから花の写真が届きましたよ~」は、真狩チームから届いた花の写真のことです。
こうした、子供たち、孫、ひ孫、玄孫たちの話題が、友吉っつぁんのエネルギーにつながればと思うので、これからも伝言板を続けていきます。
弱っていく現実
奇跡を信じて向き合ってきた友吉っつぁんですが、年齢が年齢(94歳)だけに、弱っていく現実も受け入れなくてはなりません。能天気に奇跡だけを信じているわけにもいきません。
奇跡を信じながらも、現実を受け入れるという究極のバランス感覚が自分に求められています。
奇跡ばかり信じて、何の心構えも準備もないまま、もしもの場合にうろたえているようなことでは、友吉っつぁんに安心して旅立ってもらうことができません。
ここから先は、みんなの願いである「一日も長く生きていてほしい」を実現しながらも、「安心して旅立ってもらう」ということも意識していかなくてはならないと考えています。
施設の相談員さんに、看取りまでの道筋をレクチャーしてもらうことにしました。
本当にこの施設(特別養護老人ホーム「くつろぎ」)のスタッフさん方は優秀です。
相談員の「T」さんは、私たちの求めにすぐに応じてくださって、とても分かりやすい資料を作ってくださいました。

入所から看取りまでの段階でいくと、今年に入って、昨年までの「安定期」から「不安定・低下期」に入っているようです。
この時期に起こる状態についての資料も入っていました。
下の囲みは、資料の一部分、「不安定・低下期」についての説明文です。

囲みに書いてある「微熱・高熱」「排泄物の異常」「元気がない」「活気がない」「無気力」「体力が落ちている」「発語の減少」「表情が乏しい」「傾眠傾向」については、最近の友吉っつぁんにそのまま当てはまります。
相談員のTさんの丁寧な説明は、現実を受け入れるに足る納得感のあるものでした。
友吉っつぁんの意向を確認して、「検査や積極的な医療を求めず、自然経過に任せる」ことにしました。
その方が、より長く幸せな時間を共に過ごせるような気がしました。
これからやるべきこと
現実を受け入れて、自分たちがやるべきことが何かを考え続けています。
コンセプトは三つ。
1.一日でも長く生きる「奇跡」を信じ続けること
2.残りの人生(日々)を、少しでも「幸せ」に送れるように、あの手この手を考えて実践すること
3.自分たちが慌てず騒がず、最後の見送りをできるように心構えと準備をして、友吉っつぁんが安心して旅立てるようにすること
北見に移住した目的を達成するため、もう一段自分のギアを上げて、日々を過ごしていこうと思います。
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