「ご恩返し①」では、法人の評議員への就任のことを書き、最後に「またまた施設長さんから“お話があります”と声をかけられた」というところで終わっていました。今度のお声がけはなんと、義父がお世話になった社会福祉法人治恵会の「役職者研修をしたい」というお話でした。
施設長さんのご要望
評議員への就任も「即答」でしたが、研修講師のご依頼についても、もちろん「即答」です。
とにかく、自分のできることで何かご恩返しができれば、身構えていますから、できないことはお断りですが、できることは常に「即答」です。
詳しいことは書けないのですが、ご要望は一言で言って「役職者の皆さんを元気にしたい」ということでした。
何しろ「energizer(エナジャイザー)」を自認し、名刺の肩書にも刷り込んでいる自分ですから、内容についても迷うことなく「お任せください」です。
自分の会社の社名にもなっている【GOOD&MORE】のメガネで人や物事を見ることをはじめ、職場のエネルギーを上げる方策を考えること。そして、法人全体の「GOOD&MORE分析」をして、よくするために何をしたらよいか考えること。それらを、自分自身で考えることはもちろんのこと、ワイワイガヤガヤとみんなで考えることをプログラムとして提案しました。
「こうやったら職場が元気になりますよ」と講義をしたところで、ただ教わったことの実行度は限りなく低いものですよね。基本的な考え方を学んだら、それを生かして「自分たちが何をすれば職場を元気にできるか」を皆で考えることが大切であり、それだけ(皆で考える)で、これまでの何割か増しで元気になれると思います。
一番お勧めしているのは『「GOOD&MOREのメガネ」で、周囲の人や物事を観ること』です。
そのことを宿題として、事前の皆さんへの研修案内でお伝えしました。

「組織ラジオ」のヘビーリスナー
研修の冒頭、施設長さんが私を紹介してくださったのですが、研修のご依頼をいただく直接のきっかけになった「組織ラジオ」の話をしてくださいました。
最初は、「施設長と利用者の義理の息子」というだけの間柄だったんですね。
「くつろぎ」の建物の玄関を入るとすぐに施設長室がありまして、ずっと気になっていました。
「施設長さんってどんな方なんだろう?」
「日頃の感謝をいつか直接お伝えしたいものだが・・」
そう思いながらも、なかなか勇気が出ずに逡巡の日々を過ごしていました。
ある日、意を決してノックして、ご挨拶させていただきました。
その時のことは克明に覚えているのですが、施設長さんは何やら緊張した面持ちで、極端に言うと警戒するような雰囲気でいらっしゃいました。
ソファーに座って、私が日頃の感謝と、スタッフの皆さんの仕事ぶりの素晴らしさについて話し始めてからようやく、施設長さんの表情が和らいだんです。
後からお聞きすると、きっと何かの苦情だろうと身構えていらっしゃったとのこと。
直接お話するのは初めてだったので、私も緊張していて険しい顔をしていたのかもしれません。
その日をきっかけに、コミュニケーションを取らせていただくようになり、私が何者かもご存じいただくようになってから、施設長さんが私と高野慎一さんと二人で毎週収録・公開しているポッドキャスト「組織ラジオ」を聴き始めてくださったらしいんですね。
「組織ラジオ、今50回まで来ました」「やっと100回まで来ました」とご報告いただくようになりまして、恐らく最新回までもう追いつていらっしゃるんじゃないかと思います。
組織ラジオを聴いてくださったことで、私の仕事のことや考えていることなどを深くご存じいただいて、そこから「役職者研修」へと繋がっていくことになったわけです。
施設長さんが熱心にお聴きくださっていることは、もちろん相方の高野慎一さんにも伝えているのですが、とても励みになっています。
法人のGOOD&MORE分析
研修のひとつの柱は、「法人のGOOD&MORE分析」です。
法人について「経営(リーダーシップ/方針/組織)」、「風土(考え方/価値観/コミュニケーション)」、「環境(職場環境/シフト・体制/教育の仕組)」、「人材(成長度/人間関係/仕事の仕方)」「その他」の5つのカテゴリーで、GOOD&MORE&CHANGEを考えます。
GOODは「うまくいっていること」、MOREは「もっとよくしたいこと」、CHANGEは「よくする具体策」です。
一旦、個人で付箋を使って思いつくままに書き出してもらってから、グループで共有し合ってまとめをし、発表に備えます。

正直のところ、研修に臨むまでは心配だったんですね。
「皆さんから、どれくらい意見が出るんだろう?」
「“よくする具体策”は出て来るんだろうか」
私の心配は、ものの見事に杞憂に終わりました。
グループのまとめのために用意した模造紙は、付箋で溢れ、「よくする具体策」についても、色々なアイデアが出されたんです。
「皆さん、日頃から色々なことを感じ、考えながら仕事をされてるんだな」と感心させられました。
あるグループの発表では・・
「先生が“経営”・“風土”・“環境”・“人材”と項目を分けた意図が分かりました」
「全体を俯瞰してみて、4つの項目が密接に関係し合っていることが分かりました」
というお話をされていました。
全体を俯瞰することの意味と重要性をご理解された発言に、感じ入りました。
共通言語
たった一日ではありましたが、皆さんが熱心に取り組んでくださったおかげで、色々と収穫のあった研修だったのではないかと思います。
組織変革(組織をよい方向に変える)の観点で言えば、皆さんに「共通言語」がたくさんできたことが最大の収穫ではなかったかと思います。
「共通言語」は、コミュニケーションを確実に円滑にし、意思決定の一貫性を生み、組織全体で効率的、効果的に変革の本質について話し合うことを可能にします。
残念ながら、お仕事の都合などでご欠席の三名様について、「共通言語」において、疎外感ができることに無いように、後日フォロー研修をやらせていただこうと思います。
※この研修について、第253回組織ラジオ「俯瞰して見ること・メガネを掛け替えて見ること」でも取り上げています。ぜひお聴きください。
↓クリックしていただくとお聴きいただけます。
■第253回組織ラジオ「俯瞰して見ること・メガネを掛け替えて見ること」
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