先日、義父がお世話になっている施設「特別養護老人ホームくつろぎ」の施設長さんのお部屋に、初めてお邪魔した。玄関を入ってすぐのところに「施設長室」があるのは分かっていたので、いつかはご挨拶をと思いながら義父のことに夢中でなかなか実現できずにいた。
「苦情」と間違えられる
意を決して「ちょっといいですか?」とお邪魔すると、「はい、どうぞ」とおっしゃりつつも、とても緊張感が漂っている。
意外な緊張感にちょっとたじろぎつつも、お伝えしたかったことを勇気を持って話し始めた。
話題は、義父がお世話になって一年。
こちらにお世話になって本当によかった、という感謝と、感じているこの施設の魅力を直接お伝えしようという話。
話始めると、施設長さんの表情が和らぎ、少しリラックスした雰囲気になった。
どうやら、施設長さんは、運営上何かクレームなのかと身構えていらっしゃったようだ。
確かに、施設の壁には「苦情窓口」の表示があり、何人かの担当者と並んで一番上に施設長さんの名前が書いてある。
なるほど「何かの苦情ではないか」と身構えるのも分かる気がする。
魅力1:ハキハキ挨拶
施設長さんにお伝えした「くつろぎ」さんの魅力の一つ目は「ハキハキ挨拶」。
施設内のどこで、どなたにあっても、皆さんの方からとても気持ちのよいご挨拶をしてくださるんだ。
そのハキハキした挨拶だけで、義父を元気づけに行っているはずなのに、自分たちの方が元気になって帰ることになる。
義父との面会を終えて、「ありがとうございました」と帰ろうとすると、すれ違った方からはだいたい「ご苦労様でした」「お気をつけてお帰りください」という心のこもったご挨拶が返ってくる。
魅力2:テキパキ即対応
二つ目の魅力は、「すぐやる」対応。
とにかく、何をするにも「テキパキ」なんだな。
義父の世話のことで、お願いしたいことが発生するとする。
例えば、淡が溜まって苦しそうで、通常は順番に回ってくるんだけれど、「苦しそうなんですぐに取ってほしい」とお願いすると、たくさんのご利用者がいるわけなんで、すぐには難しいと思うんだけど「はい、わかりました」。「すぐにやりますよ」と、さっさと機会を引きずって来てくれる。
たまには狭い部屋ではなく、広間で話したいとなると、すぐに数人に声をかけて義父を車椅子対応にしてくれる。
「今、手がふさがっているんで、後にしてもらえますか?」とか「後でやっておきます」というようなことは、お世話になり始めてからのこの一年、一回もなかったんじゃないかな。少なくても記憶にはない。
このクイックリー対応が、仕事のできる特定に人というのはある話だと思うんだけど、どなたにお願いしても対応は変わらないんだな、これが。すごいことだと思うんだな。
魅力3:驚異の「明るさ」
スタッフの皆さんが一様に「明るい」。とにかく明るい。
義父は「友吉」という名前なのであるが、「何と呼んでほしいですか?」と明るく聞いてくださって「友ちゃん」と義父が答えると、皆さん面白そうに「友ちゃん」「友ちゃん」と言って、盛り上げてくださる。
ある方などは、妻と私が義父の部屋に来ていることが分かるとたいがいやってきて「娘さん毎日来てくれてよかったっしょ」「よかったっしょ」と大きな声で義父と話し「こんな毎日来てくれる人なんかいないだよ。喜ばなくちゃ」と、これも大きな声で、義父の体をバンバン叩きながら盛り上げては、風のように去っていく。
義父は、皆さんの対応がとても嬉しいらしく、そのたびに笑顔になり、時にはケラケラと声を上げて笑う。
精神衛生上もとてもいいらしいのだ。
ある方などは、義父が入所時にほとんど話せなかったのが、かなり話せるようになってきて饒舌なのを見られて「友ちゃんは弁論が得意なようなんで、今度広間でみんなに講演してほしい」「鎌田友るyお吉講演会で決まり」「楽しみにしてるからね」「日程相談しよう」と、思い切り盛り上げてくださる。
他にもいくらもあるのだが、とにかく明るく盛り上げてくださって、このことも義父を元気づけに来ているはずが、我々が元気になって帰帰ることになっちゃっているひとつ
魅力4:仲良しチーム
魅力の最後は、連携プレーが見事なことだな。
どなたかに義父についてのお願い事項や情報をお伝えすると、皆さんにそれが伝わっていて、次に行った時にそのことの話題になると別の方でも伝わっていて、コミュニケーションロスがないんだな。
義父のベットの上での姿勢が思わしくなくなると、すぐに仲間の皆さんに声がかかり、すぐに集まってあっという間に処置してくださる。
皆さん同士のやり取りを見ていると、とてもスムーズで、お互いが仲良しであることが伝わってくる。
チームワークが抜群なのである。
魅力5:絞り込まれた「理念」
魅力の最後は「理念」がシンプルで分かりやすいこと。
社会福祉法人としての理念は・・・
『協調の精神と思いやりの心』
そして、行動指針は・・・
『他人のために尽くすこと、他人の幸福を願うこと』
額に入っていることと、言葉遣いとして、古めかしくありふれて感じるかもしれないんだけど、ところがどっこい。施設長さんのご説明を聴くと、考え抜いた末にこうなったらしいんだな。
以前は、世の中のバリューでよくあるような、番号を振って10個くらいあったらしいんだけど、「そんなの覚えられないよ」と、この理念と、行動指針はひとつに絞ってしまったということなんだって。
これは素晴らしい。感銘を受けた。
この「行動指針」が最高だと、僕は思ったんだな。
施設のご利用者は、当たり前のことだけど、まったくの赤の他人。
その赤の他人の生活の全てをフォローする。
よっぽどの覚悟と、志がなかったら、できないよね。
「他人」のために尽くす
「他人」の幸福を願う
これ以外には何もない。
施設長さんのお話をお聴きしていて、この絞り込みの潔さに、僕はとても感動したんだ。
《YouTubeでも語っています》
施設長さんのお部屋を訪ねる前の投稿ですが、YouTubeチャンネル〈imaichiTV〉でも「くつろぎさん」の魅力を語っています。内容は一部違いますが、よろしければご覧ください。→imaichiTV第5回「くつろぎさんの魅力」は、こちらから⇒https://youtu.be/eX60RXcGoMA?si=JamF5VGVjSQWfjaO
コメント