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今回は、モスフードサービス元専務取締役の田村茂さんの著書『モスバーガーから学ぶ ブランドが育つ「ぶれない経営」』という名著をご紹介します。
この本は、企業がいかに「強いブランド」の礎や「ぶれないプライド」を創るかを説いた素晴らしい一冊です。
最初に章立てをご紹介します。
章立てと、今野が気に入っているページ
プロローグ 「人生は出会い」~モスバーガー創業者 櫻田慧との出会い~
第1章:モスという「成長できる職場」との出会い
第2章:モスで学んだ6つのこと
第3章:使命感が創る「プライド」と「ブランド」
第4章:ブランドの土台をなす「凡事徹底」
第5章:4つのエピソードから学ぶホスピタリティ精神
第6章:職場を活性化させるマネージャーの役割
第7章:繁盛店を創造するマネージャーの共通点
第8章:競争に負けない外食業のマーケティング
エピローグ~外食業には挑戦とい成長の機会があふれている~
全編を通じて、田村茂さんがされたモスでの体験の一端を疑似体験できる、とても豊かな本というのが全体の感想です。
私は、中でも、プロローグと第1章の、田村さんとモスの創業者との出会いの話が好きです。人生は何をするかの前に「誰と出会うか」がとても大切だということを実感させられます。
もうひとつは、第5章の田村さんが実際に体験したエピソードに基づく「4つのエピソードから学ぶホスピタリティ精神」のページですね。
実話だからこその説得力で、「ホスピタリティの神髄」を語ってくださっています。
私は、これらのページは、もう5~6回は読み直しています。
私が気に入っているそれぞれの章をご紹介します。
創業者櫻田慧氏との出会い
大学3年生時の正月明けの先輩4年生の「追い出しコンパ」に、ゼミの15年先輩だった櫻田氏がOBとして出席して、隣の席になったことが運命の出会いだったとのこと。
就活を経て、某都市銀行に内定を得た田村さんは、コンパの時にもらった櫻田氏の名刺を頼りにお店を訪ね、在学の残りの期間、モスでアルバイトをすることにしました。
大学卒業後、一旦は都市銀行で働き始めますが、次第にアルバイト時代のモスでのお客様との向き合い方(価値観)の違いを感じ始めます。
モスでのアルバイトのことを思い出し、これこそが自分の本当の生き方、「価値観」ではないかと気づいたとのこと。
・「美味しかったよ!」と、お客様から目の前で言われた時の喜び
・「ありがとね!」が多く聞こえる職場
その時蘇ったのは、櫻田氏の言葉だったそうです。
「ハンバーガーを売りながら実は幸せを売っているんだ!」
これこそが自分の生き方と思いを新たにし、田村さんはモスに今度は社員として出戻ることになります。
岩手県大船渡市のご実家の親御さんは、転職に大反対だったとのことですが、転職の報告に帰省した半年後に、創業者の櫻田慧氏が、なんと大船渡のご実家を訪問したとのこと。
その部分をそのまま転載します。
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私が実家から戻って半年後、創業者の櫻田さんがわざわざ大船渡の両親を訪ねてくれたのです。
「茂君を預からせていただきました。きっと立派に育ててみせます!」
両親は突然の訪問にびっくりし、深々と頭を下げて、「よろしくお願いします」と答えるのが精一杯だったとか。
両親はそのエピソードを後々まで何度も語っていました。
「なかなかできることではない。社長さんは立派な人だった」
「お前は運がいい。果報者だ」
大組織ではこのような「人情の機微のある行動」にはなかなかお目にかかれないと思います。
モスの「人を大事にする文化」を実感できたエピソードでした。
文化とは言葉だけではなく、行動があってこそ説得力が増すというものです。
私もこういうリーダーを目指そう!そう心に誓いました。
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著者の田村さんも書かれていますが、この部分を読んで、私も、こういうリーダーを目指そうと思いました。
そして「文化とは言葉だけではなく、行動があってこそ説得力が増す」とノートにメモしました。
この後も第1章では、創業者である櫻田慧氏のエピソードや言葉が出てきますが、この部分だけでもこの本を手にしてよかったと、価値を感じました。
人は、人との出会いによって人生を決定づけられることがあります。
このことを著者の田村さんは次のように書かれています。
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私はこの出会い(創業者の櫻田氏との出会い)は「縁心力(えんしんりょく:造語)」に導かれたと思っています。この「縁心力」が働かなかったら、今日の私はありません。
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「縁心力」を大切にしたいと強く思いました。
第5章 4つのエピソードから学ぶホスピタリティ精神
ホスピタリティの神髄を田村さんは、実際にご経験された実話をベースに説いてくださっています。それが「第5章 4つのエピソードから学ぶホスピタリティ精神」です。
それぞれが、とても心を揺さぶる内容になっています。
本日は、せっかくですから、この章に登場する4つの具体的なエピソードを要約し、そこから田村さんが語る「ホスピタリティの神髄」を厳選してご紹介したいと思います。
【エピソード1】空港で体験した「サービス」と「ホスピタリティ」の違い
- 要約: 羽田空港の搭乗待ちゲートで、機材遅れのアナウンスを聞き逃した80歳近い老夫婦が不安そうにしていました。1人目のグランドスタッフは早口で機械的に「座ってお待ちください」と状況を説明しましたが、夫婦の不安は消えませんでした。しかし、2人目のグランドスタッフは、夫婦と同じ目線に片膝をつき、笑顔でゆっくりトーンを上げて説明。さらに「時間になったらお声がけしますね」と寄り添い、夫婦を満面の笑みに変えました。
- 神髄: 田村さんは、行動自体が早くても一方的な説明は単なる「サービス」にすぎないと指摘しています。お客様の気持ちに寄り添い、目線を合わせ、心の底から安心と笑顔を引き出して初めて「ホスピタリティ」が完結する、と説いています。
【エピソード2】突然の雨、その瞬間にスタッフがとったマニュアル外の気遣い
- 要約: あるモスの店舗で、ランチタイムを過ぎて雨が降り出したときのことです。女性アルバイトスタッフが突然ダスターとビニール袋を持って外へ飛び出しました。彼女は、自転車置き場に停められていたお客様の自転車のサドルを一つひとつ綺麗に拭き、ビニール袋を被せて戻ってきたのです。「自分が帰る時、サドルが濡れていると嫌だなと思った瞬間、お客様も同じだと思ったから」と、自分の判断で行動していました。
- 神髄: 田村さんは、マニュアル通りの対応だけで動く時代は終わり、今は「サービスは応用編の時代」だと語っています。「その瞬間」にお客様の立場になって考え、失敗を恐れずにとっさの気遣いを実行する「ホスピタリティ感性」こそが大切であると教えてくれています。
【エピソード3】おにぎりの温かい心配り(葬儀社のエピソード)
- 要約: 著者の田村さんが、生前「炊き立ての白いご飯をたらふく食べるのが好きだった」というお父様を亡くされた時のことです。告別式の出棺時、葬儀社のマネージャーから「私たちからも一つ手向けを」と声がかかりました。するとスタッフがワゴンで炊飯器を運び、その場で温かいおにぎりを握り、「旅の途中でお召し上がりください」と故人の棺にそっと入れてくれたのです。
- 神髄: マニュアルには一切ないこのサプライズ。田村さんは、さりげない会話からお客様の「意味・コト」を汲み取り、面倒だと思うことを喜んでしてあげることこそが真のホスピタリティであると、深く感動を込めて綴っています。このエピソードを読んで、私は涙腺崩壊でした。ぜひ田村さんのご著書で直接読んで、味わっていただきたいと思います。
【エピソード4】着ぐるみトナカイの咄嗟の機転
- 要約: クリスマスイブのモス店舗で、トナカイの着ぐるみを着て「モスチキン」の外売りをしていたオーナーが遭遇したエピソードです。イートインのお客様が「子どもがマスタードを苦手なのに、抜くのをお願いし忘れてしまった」と新しいものの購入を申し出ました。値段を伝え、普通通りの接客をしている係を制止したトナカイ姿のオーナーは、「私どもの配慮不足です」と代金を受け取らず、マスタード抜きのハンバーガーを「クリスマスプレゼントにさせてください」と笑顔で伝え、家族を温かい気持ちにさせました。
- 神髄: 田村さんは、ただ良い商品を提供するだけでなく、「ニクイな、そこまでやるか!」と思わせる真のホスピタリティがあふれるお店こそが、地域で愛され続けると説いています。日頃から感性アンテナを磨き、目の前のお客様にどうお役に立てるかを考えることの重要性を教えてくれます。
いかがでしたか。
これら4つのエピソードに共通するのは、単なるマニュアルの実行ではなく、「相手の立場に立ち、心を配り、感動を生み出す」という温かいマインドです。
田村さんは、こうも書いていました。『マネージャーは「心温まる臨床例」の仕入れ人です』と。そのような情報をシャワーのように浴びておくことが、人材育成のテキストになると。
これらのホスピタリティの神髄は、ビジネスやサービス業の極意としてだけでなく、日ごろの人間関係を円滑にし、周りの人を温かい気持ちにするためにも、私たちにとってとても大切な姿勢だと感じました。
ぜひ皆さんの日常や仕事の中でも、「その瞬間の気遣い」を意識してみてはいかがでしょうか。
要約では、なかなかエピソードが伝わりにくいかと思います。
ぜひ実際にこの本を手に取っていただいて、味わっていただきたいと思います。
お知らせ
こちらにamazonのリンクを貼っておきます。
ぜひ、お手に取って田村さんのご著書の魅力を感じてみていただきたいと思います。
■モスバーガーから学ぶブランドが育つ「ぶれない経営」by amazon page
また、今野誠一のYouTubeチャンネル「imaichiTV」でも、今回の記事の一部を動画でお届けしています。ぜひご覧ください。
■今野誠一のimaichiTV:第42回「4つのエピソードから学ぶホスピタリティ精神」







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