【組織のリアル】「自分らしさ」を勘違いした社員はただの身勝手?プロの“らしさ”と組織のマネジメント

みなさん、こんにちは。今野誠一です。

最近、ビジネスの現場でも「自分らしく働こう」とか「個性を発揮しよう」という言葉を本当によく耳にしますよね。

でも……あえて最初に、身も蓋もない本音をお話しさせてください。

会社は、あなたの「自分らしさ」なんて、ぶっちゃけ1ミリも求めていません。

「えっ、今野さん、急にそんな冷たいこと言うの!?」と思われたかもしれません(笑)。ですが、これが組織の厳しいリアルなんです。

今回は、組織における「自分らしさ」の真の意味と、それを成果につなげるためのマネジメントについて分かりやすく整理してお伝えします。

会社が求めているのは「自分らしさ」ではなく「成果」

会社という組織は、ボランティア活動でも趣味のサークルでもありません。お客様に価値を提供し、利益を上げ、社会に貢献するために存在しています。

だからこそ、会社が社員に本当に求めているのは「成果を出すこと」ただ一つです。

そこに「改善意識」「目的意識」「プロ意識」という3つの姿勢がないまま、「これが自分らしさですから」と主張されても、組織にとってはただの“身勝手な振る舞い”になってしまいます。

  • 改善意識のない「自分らしさ」は、ただの「頑固」
  • 目的意識のない「自分らしさ」は、ただの「自己満足」
  • プロ意識のない「自分らしさ」は、ただの「甘え」

耳が痛いかもしれませんが、まずはここを理解することがスタートラインです。

「じゃあ、組織で自分らしさを出すなんて無理なのか?」というと、決してそうではありません。ここからが今日の本題です。

「自分らしさ」の誤解を解く――それは「やり方」の工夫に宿る

会社が求めているのは「目的(成果)」であって、「やり方(手段)」のすべてではありません。ここ、すごく大事なポイントです。

ビジネスにおける「自分らしさ」とは、好き勝手に振る舞うことではなく、「会社が求める目的(成果)を達成するために、どんな手段やプロセスでアプローチするか」という工夫の中にこそ宿ります。

例えば、「お客様の課題を解決して契約をいただく」という目的(成果)があるとしましょう。

  • 人と話すのが大好きな営業マンなら、情熱的な対話で信頼を掴むスタイル。
  • 分析が得意な営業マンなら、緻密なデータ資料で納得してもらうスタイル。

ゴール(成果)さえ同じであれば、そこに至る登り方は人それぞれで構いません。

「目的意識」と「プロ意識」を持って成果に向かう中で、自分の得意なやり方や工夫を凝らす(=改善意識を持つ)。これこそが、組織において価値を生む「プロの自分らしさ」なんです。

なぜ今、組織にメンバーの「らしさ」が必要なのか?

では逆に、なぜ会社側もメンバーにこの「自分らしさ(工夫)」を発揮してもらう必要があるのでしょうか? マニュアル通りにやらせた方が、管理する側としては楽なはずですよね。

理由はシンプルです。全員が同じやり方しかできない組織は、変化の激しい時代に生き残れないからです。

メンバーが「自分らしさ」を発揮することには、組織にとって大きなメリットが3つあります。

① 予期せぬトラブルに強くなる(引き出しが増える)

やり方を上からガチガチに縛ると、マニュアルが通用しなくなった瞬間にチーム全体がフリーズします。全員が「自分なりのアプローチ」を持っている組織は、変化や予期せぬトラブルに対して臨機応変に対応できる強さ(引き出しの多さ)を持てます。

② 他社が真似できない「独自の強み」になる

マニュアル通りの対応は、良くも悪くも「平均点」しか出せません。ですが、そこに個人のこだわりや得意なスタイルが乗ることで、競合他社には真似できない「尖った魅力」や「熱狂的なファン」が生まれるのです。

③ 「言われたからやる」から「面白がってやる」に変わる

やり方まで全部指定された仕事は、単なる「作業」になり、モチベーションも下がります。しかし、「ゴールはここだ。やり方は任せるから自分らしく工夫してくれ」と言われると、仕事は一気に「自分の作品づくり」に変わります。指示されなくても自ら学び、勝手に成果を追う「高エネルギー人材」が育つのです。

リーダーの役割は「枠(ガードレール)」と「余白(自由)」を作ること

ここまで聞くと、「よし、明日からみんな自由にやってくれ!」と言いたくなるかもしれませんが……ここに大きな罠(リスク)があります。

メンバーの「らしさ」をただ野放しにすると、組織には次のようなリスクが襲いかかります。

  1. ベクトルのズレ(方向性がバラバラになる)
  2. 協調性の低下(チームワークが乱れる)
  3. ガバナンスの崩壊(品質やルールが崩れる)
  4. 属人化(その人にしかできない仕事が増える)

だからこそ、リーダーのマネジメントが不可欠になります。

リーダーの本当の仕事は、ガッチリとした「枠(ガードレール)」を作った上で、その中の「余白(自由)」をメンバーに委ねることです。

  • 守るべき「枠」:組織の目的、理念、ルール、求める成果のレベル
  • 委ねる「余白」:アプローチの工夫、個性の活かし方、独自の視点

枠がない自由は、ただの「無法地帯(混乱)」です。 しかし、明確な枠があるからこそ、メンバーはその中で安心して「自分らしさ」というアクセルを思い切り踏み込むことができます。

まとめ

「プロ意識を持ったメンバーの工夫」と、「明確な枠を示すリーダーのマネジメント」。 この2つがガチッと噛み合ったとき、組織はとんでもないパワーを発揮します。

あなたの現場では、メンバーに明確な「枠」と挑戦できる「余白」を示せているでしょうか?

ぜひ一度、ご自身のチームの「自分らしさ」と「マネジメントの枠組み」について考えてみてくださいね。

※同様の内容をYouTubeチャンネルでもお届けしています。以下をクリックしてぜひご覧ください。
第4回今野誠一の“組織のテレビ”『「自分らしさ」と組織のリスク』

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